抜歯後の注意事項について説明します。
1.止血について
帰宅後、出血が止まらない場合はガーゼや丸めたティッシュを噛んで圧迫してください。
30分程度で出血が止まる場合がほとんどです。
しかし、いつまでもガーゼを咬んでいると口の中に唾液が溜まり、固まった血が溶けて血が止まりにくくなります。
血が唾液に混じった状態が翌日まで続くことがありますが、気にして頻繁に唾を吐くと、かえって出血の原因となります。
唾液に血が混じると、多量に出血していると錯覚しやすいですがほとんどの場合心配はありません。
しかし長時間、多量の出血がある場合はすぐに医院へ連絡してください。
2.口腔衛生について
・抜歯当日は過度のうがいは避けてください。血が止まった後でも、また出血してくる原因になります。翌日からは食後にしっかりうがいをしてください。
・術部を指や舌で触らないでください。
・歯磨きは、術部に触れないようにし、なるべく翌日から行ってください。
3.安静について
抜歯当日は、激しい運動や長時間の入浴は避けてください。
血のめぐりや体温の上昇等によって出血してくることがあります。
4.食事について
・麻酔が切れるまでは、頬を噛んだり火傷の原因にもなるので、できるだけ食事は避けてください。
・硬いもの、熱いもの、刺激の強い食物等も避けてください。
・体の抵抗力が下がると、痛みや腫れが出やすくなるので、栄養はしっかり取ってください。
・腫れや再出血、傷の悪化の原因になるため、抜歯後の飲酒や喫煙は避けてください。
5.薬の服用について
薬は必ず指示通りに服用してください。
6.その他
・抜歯した場所の周囲が翌日腫れることがあります。急激に冷やすことはよくないので、冷やしたタオルをあてる程度にしてください。
・麻酔が切れると痛みが出てくるので必要に応じて鎮痛剤を服用してください。抜歯後4日目くらいには鈍痛に変わり我慢できる痛みになり、さらに1週間後にはほとんど痛みはなくなります。もし、4日くらいを過ぎても強い痛みが続いているときは、抜歯した穴が「ドライソケット」になっている可能性があります。
※《ドライソケット》について
抜歯した部分が血餅(固まり始めた血液)でふさがれずに骨の部分が露出してしまい、激しく痛むこと。
通常は抜歯後数日でなくなる痛みが治まらず、1週間以上も痛みが続きます。触れると痛いなどの症状が出ます。
これは何らかの原因で抜歯した穴が血液で覆われず、かさぶたが出来なかったためで骨の上に歯肉が作られず骨が露出したままの状態です。物が入ると直接触れるために強い痛みを生じます。
ドライソケットは抜歯窩治癒不全とも呼ばれ、抜歯後の発生率は2~4%で、下顎の親知らずでは約20%とも言われています。
